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納税資金確保の対策(生命保険金)について

相続税がかかる場合、相続税は相続が発生してから10ヵ月以内に現金で支払わなければなりません。財産のほとんどが現金や換金可能なものであれば納税の心配はありませんが、財産のうち不動産の占める割合が多い場合に、納税資金が足りない場合があります。その方法として生命保険金を利用することが有効な手段となります。

生命保険はメリットがいっぱい

生命保険には、次のようなメリットがあります。
①遺族の生活保障となる
②一定額の非課税枠の特典がある
③相続時に現金が支払われるため、納税資金などに利用できる
④保険料の支払により、相続財産が減少する場合がある
⑤相続放棄をした人でも保険金は受け取ることができる

非課税枠を活用し、納税資金を確保する

財産の大部分が不動産で、現金や預貯金はわずか、といったケースは決してめずらしくありません。
このような場合、相続時に必ず現金が入る生命保険(終身保険)は、納税資金を確保する手段として非常に有効です。
しかも、故人が契約者(=保険料負担者。以下同じ)でありかつ被保険者であった死亡保険金には[500万円×法定相続人の数]の非課税枠があります。たとえば、法定相続人が妻と子ども2人の計3人なら、遺族が1500万円まで非課税の保険金を受け取れるというわけです。
また、仮に非課税枠を超える保険金を受け取り、結果として相続税が増えることになっても、増えた財産(受取保険金)を納税資金にあてることができるので、積極的な相続税対策として優れたものといえます。

契約形態によって課税される税金が違う

被保険者の死亡によって支払われる保険金は、誰を契約者(保険料負担者)、受取人とするかによって課税される税金の種類が異なります。契約の仕方により、死亡保険金の非課税枠を利用できなくなる場合もあるので、注意が必要です。

死亡保険金にかかる税金

契約の形 具体例(父を被保険者とする) 税金の種類
契約者 被保険者 受取人
A 契約者と被保険者が同一 相続税
B 契約者と受取人が同一 所得税と住民税
 (一時所得)
C 契約者、被保険者、受取人の三者が異なる 贈与税

※契約者=保険料負担者とする

一時所得にかかる税金の計算方法
(1)(受取保険金額-払込保険料額-50万円)×1/2=課税される一時所得
(2)(1)の金額をほかの所得と合算し、所得税と住民税の税率を適用

(Aパターン)

たとえば、父が自分で保険に加入し、相続人である妻や子を受取人とする形です。最も一般的な加入の仕方です。
この場合は保険金はみなし相続財産とされ相続税の対象となりますが、[500万円×法定相続人数]の非課税枠を超える部分のみ相続財産に加算されます。

(Bパターン)

たとえば、子が父に保険をかけ、子が保険金を受け取る形です。保険金は子の一時所得となり、所得税と住民税がかかります。
この場合は、非課税枠の適用はありませんが、課税される一時所得の金額はかなり軽減されます。遺産額が非常に多くなるとき、子の一時所得とする方が有利となる場合があります。

(Cパターン)

たとえば、母が父に保険をかけて保険料を支払い、子を受取人とする形です。
この場合は受取人である子に対して贈与税がかかり、税負担が非常に重くなります。
 

相続財産に適した保険は?

被保険者の死亡時に保険金が支払われる保険には、おもに次のような種類(表参照)があります。このうち相続対策に最も適しているのは終身保険です。
定期付終身保険は保険会社の主力商品ですので、すでに加入している人も多いはずです。相続対策として利用するなら、保険証券で終身部分の額を確認しましょう。金額が足りない場合は終身部分を増額するか、他に終身保険に加入するなどの方法で対応する必要があります。

保険の種類とその特徴一覧

保険の種類 相続対策 保険の特徴
定期保険 × 一定期間のみ死亡保障がある掛捨ての保険。期間満了後は保険金は一切支払われない。
終身保険 生涯保障が続き、被保険者の死亡時に必ず保険金が支払われる。相続対策に最も適している。
定期付終身保険 一定期間の死亡保障を厚くした終身保険。定期期間の終了後は終身部分のみの保障となる(保険金額が減る)ので注意が必要。
養老保険 × 満期までの死亡保障と、満期時に死亡保険金と同額の満期金がある貯蓄性の高い保険。死亡保険金と満期保険金のどちらになるか不確定のため、相続対策としては使いにくい。
医療保険 × 医療費の保障を目的とした保険で、死亡保険金はわずか(一般的に50万円程度)。相続対策には不向き。

※この表は、相続対策に適した保険という点から評価していますので、×印のついた保険を全く否定して
 いるわけではありません。それぞれの目的に合った保険を選択していただければよいと思います

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